みなさま、ごきげんよう。Haruna.です。
この前書きは第5話が放送される前に書いています。
先週放送の第4話で『GARO-VERSUS ROAD-』にかかっていた靄がようやく一部晴れた心地がしたと書きました。作品世界の基本ルールや登場人物のキャラクターに合わせたアクションの見せ方、またそれぞれのアイデンティティなど。明らかになった分、作品の楽しみ方を掴めた。ただ、「この作品は『牙狼』なのだろうか」という戸惑いは依然として拭えずにいました。
目に見えるフォーマットが違いすぎる戸惑いと違和感が強すぎて角度を変えて捉えられなかった。円柱は横からだと四角に見えるけど、上からは丸が見える。私は『GARO-VERSUS ROAD-』という円柱を四角に見える方面からしか見ていなくて、柱の周りをぐるぐる回りながら「こんなの違う!」と嘆き続けていたのかもしれないと。でも俯瞰で見た時、丸い形のところに『牙狼』としっかりラベリングされていたのです。
現状、この物語では「ホラーっぽい怪しい人たち」に「陰我」のもととして利用されているのは「普通の人間」。そして本作では「人間の欲望とその成就」が第1話から一貫して強めに描かれていることがよくわかります。
これを踏まえて今一度シリーズを見直していて気づいたのが、『闇を照らす者』の金城滔星。ホラーではないという意味で普通の人間であった彼は、ホラーを作り出し、従え、欲望のまま他の人間を踏みにじりました。また、冴島シリーズにおいても「人間の欲」と「ホラー」の結びつきは非常に強く、それを利用する者が必ずいる。こうして考えると、本作は実はものすごく牙狼らしい作品なのではないだろうか? と思うのです。人間は常に恐ろしいし、醜い。ただ、「守りし者=魔戒騎士や魔戒法師」が不在という点の違和感があまりにも強すぎた。
本作の視聴者には昔からシリーズを見ている方がいれば、今までの作品は見ていないけど今回は見ているという方もいると思います。私の友人知人には後者が相当数いるので、その方面からの感想を伺うと思わぬ発見や捉え方の違いが見つかったりして毎週とても興味深く話を聞いています。
前書きが長くなってしまいました。それでは第5話レビューに進みます。
前回までの記事はこちら
【これまでで見えた事】
放送済エピソードにつき、見えた事を加筆・修正しています。
①『GARO-VERSUS ROAD-』というゲームの世界
・黄金の鎧を召喚できる最強の称号「ガロ」を目指し、全てを倒し、最後の一人になるまで戦う。
・段階を追って人数が選別される。「陰我」を強く起こす人物たちが選りすぐられている。
・集められたプレイヤーは「騎士」「勇者」「戦士」と様々に呼称される。
・「ガロ」の称号と黄金の鎧を手に入れた者はどんな望みも叶えられる。
・黄金の鎧は、ゲーム上の装備品的なヴィジュアルで機械的な印象。
・監視者の男・葉霧の、「今度の彼ら」という発言から、これまでも何度かゲームが開催されていた?→「これまでの奴らと比べ物にならない」との発言や特定失踪者記事や伝承記事の写りこみから、陰我を集めるため相当時間、複数回続けられていたと考えられる。
・意識のみがVRへ転送される仕組み。
・ゲーム空間での能力値は自分次第(1回戦独自の設定だった可能性あり。)なりたい自分になれる。元ある能力値も高める。
・ゲームだが痛覚はある。
・倒されるまたはゲームのログアウトによりゲームから除外され、そのまま現実でも実際に消滅する。
・朱伽がプレイヤーに施した「ログアウト」とゲームオーバーの消滅パターンが違ったが、作用に差分はなし。
②ホラー(素体ホラー?)
・マカイの住人で、プレイヤーを襲う。この「マカイ」がおなじみの「魔戒」と符合するかはいまだ謎。
・今までのホラーに比べてこちらも機械的。
③現実世界
・「ある日突然VRグラスが届けられるゲームがある」という半ば都市伝説的な噂が存在している。
④ゲームの監視者
・第1話に現れたのは、騎士の前に現れた案内人・朱伽。そして現実とVRを行き来している赤髪の女・伽堂アザミ。
・選別や1回戦の時には物陰からプレイヤー候補を眺めるのみだったアザミ。1回戦以後、プレイヤーと接触し、「きっかけ」を作り出す。
⑤陰我
・監視者の目の前にある複数のモニター。生き残りの戦いの最中、プレイヤーたちから立ち上る黒いオーラが「陰我」と表現されている。
・黒いオーラは黄金の鎧へ吸収され、監視者たちは陰我が満ちる時を待っている。
⑥黄金の鎧の輝き
・1回戦の終了と共に放たれたホラーを消滅させた黄金の輝き。かつての黄金騎士にも似ているが…?
何故星合のことが脳裏をよぎると頭が痛むのかァ!
…作品が違いました。
葉霧が「陰我を生み出さない、計画に役に立つとは思えない」と評した星合。やっと物語のメインへやってきました。2回戦の終了の折、空遠よりどうして脱出できたのかと問われた時、明確に答えられませんでした。2人の間に、というか空遠から星合に対して小さな不信感が生まれたように感じましたが皆さんはいかがでしたか?
陰我を生み出していない者に対する「きっかけ」作りにアザミが近づいたのは空遠。小さな不信感のヒビにテコ入れで傷を拡げようと入り込む様子はとても恐ろしいシーン。今回のサブタイトル『BUG』はここに関わることなのかな? と思いました。
あと、1回戦開始前に朱伽が放ったのと同じ波のエフェクトだったのはどのような意図があるのか? もしかしたら朱伽=アザミという暗示…?
不信感を増幅させられて苦しそうな空遠と、ゲームセンターの一件から自力で真実にたどり着いて苦しむ星合。3回戦で携えていたのは同じ剣。星合が2回戦で武器を使う描写はなかったですが、これは彼が脱出に至ったポイントに関することになるのかどうか。そして痛む頭と脳裏に浮かぶ過去の映像。これまでと違い、狭い閉鎖空間で真実を知ったうえで潰しあわなければいけなくなったプレイヤーたち。3回戦では彼らの心のヘドロを吐き出し、血を流し戦う様子を見るのかなと思うと…今からお腹と胸が痛みますね。
そして、香月の過去について時間を割いて描かれていたのが印象的でした。ゲームに勝ち続けるその恩恵が現実に反映されている様子が描かれているのは彼だけですよね。詰めかけた記者たちに喰ってかかる様子には背筋が凍りましたね。そこで、今後「過去」が掘り起こされることで陰我はさらに膨れあがってゆくのではないかと予測します。
空遠と星合の過去には、彼らが友達であることから過去が絡まるポイントが必ずあります。その結び目がほどけた時に2人はどうなるのか。
天羽と奏風については、2話で「中学の頃から変わってねえ」「お前には言われたくない」とこちらも過去に絡まるポイントがある。しかし、2人の陰我の湧き方は静と動。佇んでいるだけで陰我が湧く描写がある一方、力を振るっている時に陰我が湧く。結び目はとっくに解けているが、彼らの場合は過去から地続きの現在に至る欲望が陰我に形を変えているのかなと。
南雲は「フラフラしていた、炎上しか能がない」と評されていました。記憶を頼りに伝承や事象を調べ、真実にたどり着く。そして発信する。観察者を多く抱える分、それは火種になることもあった…のかもしません。それが炎上といわれた所以だとすると、「好奇心は猫をも殺す」の通り、知りたいという欲望を満たしたことが彼の足元を掬うことになりそうな気がしてなりません。
そして日向蓮。彼の絶対殺す無駄のない動き、すごくないですか? どうしてもアクション面にばかり目が行ってしまいますが、欲望は至極単純。それは死力を尽くせる相手と戦う事。1話の椎茸原木…じゃなかった、森で対峙したシーンにあるように、天羽と符合しそうな相手ですよね。天羽と符合するとなると、おそらく奏風も絡まっての混戦になるのでしょう。相手を見極めるためにも、様々なプレイヤーに絡みに行くことも予想されます。過去も現在もなかなか見えてこない日向。どのように描かれるのか、楽しみです。
【朱伽のステージ説明】
彼女が指す「世界」は現実であり、VRであることが第5話で語られました。VRでの消滅はすなわち現実での消滅。勝ち続けることで望むすべてを手に入れられるが、負けることで全てを失うと。
■1回戦 100人→50人 ルール:生き残るために勝つこと 生き残り=勝利
・黄金の鎧を召喚する騎士「ガロ」の称号を目指して戦え。得られるのはただ1人。
・ただのゲームと思っているならそれでいいけど、興奮のない退屈な世界をどうして生きる?
・勝ち続ける者には望む力が何でも手に入る。
・ルールは自分次第。ここではヒーローにも、キングにも、なりたい自分になれる。
・そしてこの世界はヒーローの誕生を待っている。
■2回戦 44人→18人 ルール:2時間以内にゲートを開き脱出すること 脱出=勝利
・一度ログアウトしたらこの世界(現実)への復帰は永遠に叶わない。=死
・強く望めば想像通りの「アイテム」を生み出すことが出来る。
・手を取り合うのか、自らの手で活路を切り拓くのか。
・ゲームの楽しみ方は自由
■3回戦 18人→8人 ルール:サドンデスマッチ 最後の8人に残ること=勝利
・首輪を外そうとした者は死ぬ→香月により、後ろのボタンを押されると爆発することも明らかに。
・最後の8人になるまで戦え
・フィールドから出ようとする者も、出た者も死ぬ→1人ホラーに捕食された。
3回戦の趣旨説明はずいぶんあっさりしていて、言葉数も少なかったように思います。
ゲームの真実を知ったプレイヤーたちは葛藤や恐怖をいっそう抱いて前に進むことを強いられます。それがまた「陰我」へと繋がってゆくのでしょう。
今週もあなたのご感想をお待ちしております。
それではまた次週。
↓「#牙狼VR」をつけてぽちっとシェアしていただけると嬉しいです!
Twitterでシェアする
Haruna.
最新記事 by Haruna. (全て見る)
- 【テン・ゴーカイジャー】公開まであと22日。ド派手なニュースが日本を席捲する! - 10月 21, 2021
- 【テン・ゴーカイジャー】 本ポスタービジュアル、新着の予告編。そしてあの人達も帰ってきた…。 - 10月 6, 2021
- 【テン・ゴーカイジャー】劇場公開まであと64日!ストーリー詳細&ゲスト出演者を大公開 - 9月 9, 2021
Leave a Reply
Your email is safe with us.