みなさま、ごきげんよう。Haruna.です。
第7話、第8話と2週続けてあまりよく眠れていません。後半戦に入って物語が一気に動き出した『GARO-VERSUS ROAD-』見た目にはジェットコースターのようなアクション、心に重く響く人物たちの心情描写に交感神経が刺激されっぱなしで困ります。第8話レビュー、いってみましょう。
前回までの記事はこちら
【これまでで見えた事】
放送済エピソードにつき、見えた事を加筆・修正しています。
①『GARO-VERSUS ROAD-』という世界
・黄金の鎧を召喚できる最強の称号「ガロ」を目指し、最後の一人になるまで戦う。
・「ガロ」の称号と黄金の鎧を手に入れた者はどんな望みも叶えられる。
・段階を追って人数が選別される。
・「陰我」を集めるために人が集められている。
・プレイヤーは「騎士」「勇者」「戦士」と様々に呼称される。
・監視者の男・葉霧の、「今度の彼ら」「これまでの奴らと比べ物にならない」などの発言や特定失踪者記事や伝承記事の写りこみから、陰我を集めるため相当時間、複数回続けられていた。
・意識のみが転送される。
・痛覚はある。
・倒されるまたはログアウトにより除外され、消滅する。
②ホラー
・マカイ(魔戒と符合するかは現在も語られず)の住人で、プレイヤーを襲う。
・今までのホラーに比べて機械的。
・自在に能力値を上げられるため、打ち勝つことは実質不可能。
(類似の存在としてアンデッド)
③都市伝説としての『GARO-VERSUS ROAD-』
・「ある日突然VRグラスが届けられる」「恩恵が舞い込んでくる」という半ば都市伝説的な噂が浸透している。
④陰我
・プレイヤーたちから立ち上る黒いオーラが「陰我」と表現されている。
・黒いオーラは黄金の鎧へ吸収され、監視者たちは陰我が満ちる時を待っている。
⑤黄金の鎧の輝き
・1回戦の終了と共に放たれたホラーを消滅させた黄金の輝き。かつての黄金騎士にも似ているが…?
ついに残り4人となりました。
魔剣に飲み込まれ、死人花と化して命を散らした者。信じるもののために戦い続ける者。友の屍を越えてゆく者。それぞれの「戦えない」「戦いたくない」「なぜ戦う」葛藤と決意の第7話と第8話でした。
第7話において特別ルールの魔剣に「99.9秒」の制限があると説明された時に気づくべきだったのですが、あの魔剣はソウルメタルで構成されているのではないでしょうか? 従前のシリーズですと、99.9秒を越えて喚装していた騎士は心滅状態に陥ります。人との繋がりで乗り越える者、むしろ打ち克ち強大な力として手中に収める者とそれぞれでした。そして鎧は浄化しなければならない、ソウルメタルは強い信念や想いに呼応する。
以上から「魔剣(ソウルメタル製?)は浄化されていない」ということと、空遠が日向を斬った際に溢れた輝きは「空遠の想い(星合、力を貸してくれetc.)に呼応した」とは考えられないでしょうか? そして、葉霧とアザミが驚いた様子を見せていたことから、その輝きは長らく失われていたか、誰とも呼応してこなかったという事も考えられるかと思います。
99.9秒の制限を超え、アンデッドとなった奏風と日向。アンデッドと化した後の差異が少し面白くて、奏風は魔剣で自害しようとしたり、天羽の呼びかけに応じてあの最期を迎えるわけですが、消滅まで自我を保っていたんですよね。対して日向は、アンデッドになって再び起き上がったころにはもう自我は吹き飛び、プレイヤーを次々に襲っていました。これは、「自分を想う誰かがいたか」というところに差が出ているのかなと感じました。切ないですね。
そして、アンデッドへ変容させる要素に魔剣に立ち込める「陰我のようなもの」が入り込む描写があります。しかし、アンデッドはホラーではないため、星合とはまた違う存在に仕立てられているんですよね。じゃあ魔剣に立ち込める黒い靄は一体何なの…? また、魔剣が空遠の時には輝き、天羽は黒い靄を打ち払ったような描写があったのも気になります。あと、全てを見届けた朱伽が告げる『You survived.』が少し物悲しそうでした。
これまでも各話ごとに仮説を立てて記事に書き起こしていますが、なにせ悉く予想は裏切られ、期待は超えてくるのが本作。どうなるかわかりませんね。
【若い役者が燃やす命】
本作のキャストが発表された折、これまでの牙狼感を丸ごと覆すような世界観も相まって、集められたキャストたちを指して「顔のいいやつばっかり集めて…」などのコメントもあったようです。
そんな人たちに問いたい。今の彼らの熱演を見ても印象は変わりませんか?
土に塗れ、唇を噛みしめ、不甲斐なさに握りしめた拳を血に染め、嗚咽を漏らし、血反吐を吐きながらも前へ、前へ進もうとする役に溶け込んで一体となって共に進んでいるように私は感じます。
特撮ネットワークは特撮情報サイトなので、「特撮」を軸にすべきです。
しかし、今回ばかりは牙狼という「特撮」を表現する重要ピースである役者について語りたいのです。わがままをお許しいただきたい。
第7話、第8話はアクション面においても、芝居面においても特に力と熱を感じたのですが、その中でもまず、最も熱演が光っていた天羽役・勇翔さんと奏風役の門下秀太郎さん。「天羽・奏風」と「空遠・星合」の両コンビは、友情と戦う意味についての描写、表現のコントラストが真逆ながらどちらも鮮やかで素晴らしい。そしてこの2話においての2人の熱演は特にすさまじかった。これまで少しずつ植え続けてきた、「俺とお前の本気の喧嘩」が大きく開花し、そして血に塗れて散っていった。
「どんな手を使っても最後に立っているのは自分」という奏風の誇りに唯一屈しなかった男が天羽だと思うんです。互いの誇り(プライド)にケリをつける「最後の本気の大ゲンカ」となったわけです。気持ちを全身でぶつけ合う勇翔と門下の熱演に、血反吐飛び散る場面のはずが、目頭が熱くなりました。同じ技を受け、同じ技を繰り出し続ける。
また、武闘派の2人ですが、同時に現実主義でもあります。第7話の「死体の上に立ってんだよ」という奏風のセリフにハッとした人も多いでしょう。私もです。そして第8話では「親友のでも互いの葬式には出られない」と天羽は告げ、奏風を介錯します。「楽しかった。負けんじゃねえぞ」と告げて消滅する奏風と静かに涙を流す天羽。多くを語らないからこそ芝居の説得力と哀しみがグッと引き立つ。素晴らしい熱演でした。「バッドエンドかどうかは自分で確かめる」と言っていた奏風にとって、天羽と拳と気持ちをぶつけ合い本気の喧嘩をして散ったことは、彼にとってのトゥルーエンディングだったのではないでしょうか。
次に日向役・Reijiさん(以下、Reiji)。第1話から視聴者の度肝を抜き続ける異次元の身体能力で魅せるアクションはとても華やかでした。最年少で演技経験も浅いのに、なんとも不気味な雰囲気を醸し出す不思議な人ですよね。そうしたReijiの特徴を生かした日向特有のアクション演出によって、特に4回戦では悲劇のトリガーになっていたのではないかと思いました。我々特撮オタクが親の顔より見た廃工場のロケーションは広く、高さもあることから3次元的な動きのトリッキングにワイヤーを組み合わせることで圧倒的人外感が表されています。対抗手段に魔剣が持ち出されたことにより、奏風そして日向自身も消滅することになるのですが…。日向の対人への圧倒的強さの表現に、Reijiのトリッキングが消える寸前まで噛み合い続けていたのは素晴らしいです。また、アンデッド化した奏風にも恐れることなく殺意を向け続けた異常性の表現は、案外役者としての経験が浅い方がストレートに出ていたのではないかと感じたほどでした。これは蛇足になりますが、日向は第8話において「お前生きとったんかーい!」と突っ込まれる要員であると同時に、空遠が剣を変化させるシーンに携わって消えていったので、案外おいしいかもしれない。
香月役・とまんさん(以下、とまん)は香月の異常性をとても上手に表現しながら、意外と繊細な心理描写を織り交ぜられていて、単純にすごいなあと感じます。香月という人物の背後には「気持ち悪い」「知った風に言われること」に対する憎悪と殺意をむき出しにして相手を打倒していく異常性と、その裏にある「閉じ込めたい過去」が競合しています。その閉じ込めたい過去と現在の異常性は地続きと思われますが、その過去がハッキリと描かれるだけの時間の余裕があるのか…そして、地続きになっていることをモノローグやゲームでの挙動で表現するとまん。私は正直役者として恐ろしいです。感覚でやっていても、演技プランに組み込んだうえでの表現だとしても、底知れない仄暗さがありますよね。少なくとも本作においては役が乗り移っている時間が1番長いと思います。
残るプレイヤーの中でも一番常識人っぽいのが南雲。演じるのは時人さん(以下、時人)こう見ると本作のキャストは名字がない人が多いですね。異常者祭りの本作において、敵味方関係なくその場の状況判断を素早く行いながら戦い、生き残ってきた南雲は正直他のプレイヤーと比べると地味に感じます。それでもふと気づいたら重要な局面には必ずいる存在感は時人自身から醸す雰囲気の良さにあるかもしれないですよね。第6.5話において自然と司会進行とトークの切り盛りを歯切れ良い関西弁で行っていたのが印象的です。撮影期間が短く、内容もなかなかハードな場面が続く本作において、オフ時にホッと休まる空気を作っていたのは彼かもしれないとふと垣間見た気がします。そんな彼が南雲を生きる時、南雲の「知識欲と探求欲」を満たすための闘争心への変換速度が異常に早い気がします。武器が無くてもそこにあるものを使って吊るし上げた第8話の戦闘なんて、おそらく彼にしかできません。そういったクレバーさに説得力をつける時人の挙動と雰囲気の演出が特に素晴らしく思います。
空遠役・松大航也さん(以下、松大)は、弱冠20歳で人気シリーズの主役を務めているわけですが、空遠の未熟さや人間臭さがもう画面から、身体から滲みまくっていて見ているこちらが不憫に感じる瞬間があるほどです。空遠を語る上では星合も当然セットにする必要があると考えています。2人で1つではないけど、互いに補い合っている雰囲気がありませんか? それは役者同士でも感じることで、星合役・清水尚哉さん(以下、清水)は子役出身という事もあって、安定した芝居と心の機微を表現するのが今回のキャストの中では特に上手だなあと感じていて、振れ幅が大きく不安定で左右されやすい空遠と演じる松大を支えているようで、日常のシーンでも、ゲームのシーンでも安心して見ていられました。安定を失った空遠と松大が、星合と清水のいない状況でどのような成長と進化を残りで見せるのか、とても楽しみです。
次週はついに第9話。サブタイトルは「PROROGUE」
空遠を眺める葉霧に「魔戒騎士を目指していた時のことを思い出す?そんなものはさっさと捨てて」と告げるアザミですが、忌々しいとまで苛烈に表現する彼女の過去も気になります。
予告の数十秒に新情報、新展開が詰まりすぎていて、来週が待ち遠しい。
2つは同じ世界の出来事なのか、20年ぶりってあなたたち一体何歳なの?というかダークメタルって何???あと候補生の君、その構えはやめえ
今週もあなたのご感想をお待ちしております。
それではまた次週。
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